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4.高額療養費制度で安心

高額療養費制度とは

高額療養費制度がどのような制度だかご存知ですか?

名前は聞いたことがあるけれど、詳しくは分からないという方も多いのではないでしょうか。

高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合に一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される制度です。

年齢や所得に応じて、本人支払う医療費の上限が定められており、いくつかの上限を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みもあります。

高額療養費制度が平成27年の1月に改正されたのはまだ記憶に新しい出来事ですが、この改正により所得によって自己負担限度額が増える人と減る人がでてきます。

「自分の家庭には影響があるのか」不安になられる方もいると思います。

そこで高額療養費制度についてお伝えしたいと思います。

高額療養費制度の申請方法と活用法についても解説していますのでぜひ最後までご覧ください。

 

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1. 高額療養費制度とは?

冒頭でも触れましたが、高額療養費制度とは、月初から月末までにかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた部分が払い戻される制度です。

健康保険証を病院の窓口で出すと通常3割負担になりますが、それでも医療費が高額になる可能性があるため、1ヶ月の上限を定めている制度になります。

 

70歳未満の加入者の自己負担限度額表

高額療養費制度は収入によって自己負担限度額が違います。

平成27年1月診療分から

 所得区分 自己負担限度額多数該当
①区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)

(報酬月額81万円以上の方)
 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
②区分イ
(標準報酬月額53万円~79万円の方)

(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)
 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
③区分ウ
(標準報酬月額28万円~50万円の方)

(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%44,400円
④区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)

(報酬月額27万円未満の方)
 57,600円 44,400円
⑤区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
 35,400円 24,600円

注)「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額での「区分ア」または「区分イ」の該当となります。

標準報酬月額についてはこちらをご参照ください

※健康保険制度の改正に伴い、平成27年1月から高額療養費制度の区分が変わりました。

高額療養費制度は今まで3区分でしたが、5区分に変更されました。特に標準報酬月額83万円以上の人の負担が大きくなります。

 

70歳以上75歳未満の加入者の自己負担限度額表

平成30年8月診療分から

 所得区分 (区分ア~ウは現役並み、区分エは一般) 自己負担限度額 外来(個人ごと)一月の上限額(世帯ごと)
①区分ア 

年収約1160万円~(課税所得690万円以上)
(標準報酬月額83万円以上の方)

(報酬月額81万円以上の方)

 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%

〈多数該当 140,100円※2

同左
②区分イ 

年収約770万円~約1160万円(課税所得380万円以上)
(標準報酬月額53万円~79万円の方)

(報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方)

 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%

〈多数該当 93,000円※2

同左
③区分ウ 

年収約370万円~約770万円(課税所得145万円以上)
(標準報酬月額28万円~50万円の方)

(報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)

80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

〈多数該当 44.400円※2

同左
④区分エ 

年収約156万円~約370万円(課税所得145万円未満※1
(標準報酬月額26万円以下の方)

(報酬月額27万円未満の方)

 18,000円

〈年間上限144,000円〉

57,600円

〈多数該当44,400円※2

⑤区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
8,000円 24,600円/15,000円(年金収入80万円以下)

※1 世帯収入の合計額が520万円未満(1人世帯の場合は383万円未満)の場合や、「旧但し書き所得」の合計額が210万円以下の場合も含みます。

※2 過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がります。

 

 

70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費

基準日(7月31日)時点の所得区分が一般所得区分または低所得区分に該当する場合は、計算期間(前年8月1日~7月31日)のうち、一般所得区分または低所得区分であった月の外来療養の自己負担額の合計が144,000円を超えた額が払い戻されます。

 

高額療養費制度:注意するポイント

高額療養費制度では差額ベッド代、食事代、保険外の負担分は対象とはなりません。

 



 

2. 1ヶ月の総医療費が100万円の場合、窓口での負担はいくらになる?

それでは実際に高額療養費制度を活用した場合の計算例をお伝えします。

  • 1ヶ月の総医療費:100万円
  • 標準報酬月額:32万円
  • 窓口負担割合:3割の場合

高額療養費制度の計算方法

2-1. 限度額適用認定証を提示しない場合

一旦300,000円(3割)を医療機関の窓口で支払い、後日高額療養費申請により212,570円の払い戻しを受けます。

2-2. 限度額適用認定証を提示した場合

窓口で自己負担額87,430円をお支払いください。

※高額療養費による払い戻し申請は原則不要です。

(ただし、世帯合算等の申請が必要な場合もあります)

自己負担限度額 ⇒ 80,100円 + (1,000,000 – 367,000円) × 1% = 87,430円

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3. 高額療養費制度の申請手続き

高額療養費制度の申請には2つの方法があります。

  1. 事後に手続きする方法(高額療養費を支給申請する)
  2. 事前に手続きする方法(限度額適用認定証を利用する)

支払い額はどちらも同じですが、2つの申請の方法にはどのような違いがあるのでしょうか。

総医療費が100万円で窓口負担が3割かかる場合での例をみてみましょう。(※年齢70歳未満・所得区分は「一般」)

 

1. 事後に手続きする方法(高額療養費を支給申請する)

一旦300,000円(3割)を医療機関の窓口で支払い、後日高額療養費申請により212,570円の払い戻しを受けます。

  1. 医療機関の窓口で3割負担額の医療費をいったん支払う
  2. 1ヶ月の自己負担分が限度額を超えたら高額療養費の支給申請をする
  3. 自己負担限度額を超えた分の医療費が払い戻される

高額療養費の支給申請の際には、医療機関から受け取った領収書の提出が必要です。

紛失したりしないよう、大切に保管してください。

詳細については加入している保険者の窓口へお問い合わせください。

① 申請窓口

ご加入の保険者によって異なるため、保険証に記載されている保険者にお問い合わせください。

国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口で確認されることをお勧めします。

② 申請に必要なもの

  • 領収書
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座のわかるもの

 

2. 事前に手続きする方法(限度額適用認定証を利用する)

限度額適用認定証は自分が加入している保険者に申請すると交付される認定証です。

入院や外来関係なく、事前に「限度額適用認定証」を申請すると、窓口での支払いを自己負担限度額で済ませられることができます。

70歳未満の方と70歳以上で年収770万円以上(区分ア・イ)の方で入院や手術、抗がん剤の治療などで高額な医療費がかかると予測できるときは、治療を受ける前に公的医療保険で「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。

自己負担限度額を超えるか分からない場合でも、支給申請しておくこともできますので、事前に準備しておくと良いでしょう。

  1. 自分が加入している保険者に限度額適用認定証を申請し、交付してもらう
  2. 保険者から限度額適用認定証が交付される
  3. 医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示する
  4. 医療費の支払いは自己負担限度額までを支払う

 

① 申請窓口

ご加入の保険者によって異なるため、保険証に記載されている保険者にお問い合わせください。

国民健康保険の場合は、市区町村により異なりますので、お住まいの国民健康保険担当窓口で確認されることをお勧めします。

② 申請に必要なもの

  • 領収書
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座のわかるもの

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4. 高額療養費制度を最大限に活用する4つのポイント

高額療養費制度を最大限活用するポイントは2つあります。

2つのポイントを押さえて高額療養費制度を有効的に活用しましょう。

 

4-1. できれば月をまたがず入院する

高額療養費制度は月初めから終わりまでの医療費が高額なった場合に、一定の自己負担額を超えた部分が払い戻される制度です。

入院する場合、月をまたがないで入院するのが一番良いでしょう。

医師から「○日に入院できるか」というように聞かれても慌てず、必ずだいたいの入院期間を確認してから返事をするようにしましょう。

手術をする場合ならその際に「手術の結果によって入院期間が延びることがあるのか」ということも聞いておけば、安心です。

 

4-2. 入院前に「限度額適用認定証」を用意しておく

70歳未満の方で入院や手術、抗がん剤の治療などで高額な医療費がかかると予測できるときは、治療を受ける前に公的医療保険で「限度額適用認定証」を手に入れておきましょう。

限度額適用認定証と保険証を医療機関の窓口に提示することで、1ヶ月分の医療費を支払う際に自己負担限度額までの支払で済ませることができます。

用意をしていないと、医療費の3割を病院に支払ったあとに高額療養費制度の申請をすることになります。

もちろんあとで自己負担額を超えた分のお金が返ってきますが、支払いのためにまとまったお金を用意しなければいけません。

医療費が用意できるなら問題はありませんが、用意できないとなると定期預金を解約したり、カードローンでお金を借りるなどしてお金を工面しなければいけない状況になります。

このようなリスクを回避するためにも、入院・高額な外来が見込まれるときは早い段階で限度額適用認定証を入手し、手続きを済ませておくことをお勧めします。

 

4-3. 高額療養費制度は家族で合算できる

世帯で複数の方が同じ病気やケガをして医療機関で受診した場合や、一人が複数の医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で合算することができます。

その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた金額が払い戻されます。

1. 合算対象のポイント
70歳未満の方の場合は、受信者別に次の基準によりそれぞれ算出された自己負担額(1ヶ月)が21,000円以上のものを合算することができます。

2. 自己負担額の基準

  1. 医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても、医科入院、医科外来、歯科入院、歯科外来に分けて計算します。
  2. 医療機関から交付された処方せんにより調剤薬局で調剤を受けた場合は、薬局で支払った自己負担額を処方せんを交付した医療機関に含めて計算します。

4-4. 高額療養費は2年以内であれば申請できる

高額療養費の支給を受ける権利は診療を受けた月の翌月初日から2年です。よって2年以内であればさかのぼって申請し、払い戻しが受けられます。

 

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